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英国B級紳士の集い/ようこそ、ニッチ・ポップ・ワールドへ

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ビートルズ解散後から、ニューウェイヴ初期に至る時期のイギリスで、一寸ポップでひねくれ気味、押しが弱くてうだつの上がらないバンド連中が、ロンドンの霧に紛れて活動しておりました。
メインストリーム・ポップやハードロック、プログレのスターバンドたちが華やかに活躍するのを横目に、ぬるいビールを傾けながら、ポール・マッカートニーやスティーリーダンについてボンヤリ語り合う彼ら。
つい悪ふざけに走るけど、趣味の良さなら負けません。レゲエやテクノも器用にこなします。いわゆる「名盤」とは縁のない、どこか愛すべきレコード達を残した彼らのニッチな足跡を、こっそりと振り返ってみましょー。

そもそもこんなショボクレた連中に惹かれ始めたのは、ニューミュージックマガジン1978年8月号に掲載された鈴木慶一氏の文章がきっかけかと。当時氏はマガジンに毎号寄稿し、その頃のライダーズでの詞作センスに通じる妖しい形容を駆使した評論は若き我々リスナーの心を鷲摑み、そこで取り上げられる音盤を夢中になって掘り下げたものです。
件の原稿では、シン・リジ―やドクター・フィールグッドといったメジャーどころに混じって、セイラー、デフ・スクール、シティ・ボーイらの名を挙げ、ゾクゾクする文章と共に紹介されております。
ここでの記事のタイトルが「英国B級紳士たちは、それなりにシタタカだ」ということで、その後「ニッチ・ポップ」なる呼び名が標榜されるまで、我々スキ者はコッソリと「 B級」の勲章を彼らに捧げていたのであります。

70年代頃は、「B級映画」を愛でるという倒錯した趣味が横行し過ぎ、反動として『「B級」というのは作り手に失礼だろう』という声が強まって「B級」があまり使われなったと記憶しておりますが、「A級」なるものに対するアンチ、という意味でも、今回「B級」を敢えて肯定的に使ってみました。「紳士」が付くとこがミソだったりもしますが。

彼らの特徴として挙げられるのは、《どこか斜に構えてる又はひねくれてる/仕掛けやギミックを多用し、悪ふざけしがち/趣味の良さに自信があり、ええかっこしい/総じて頭でっかち/売れたいのは山々なのに上昇志向が希薄(だからB級w)》といったところでしょうか。
もっともこちらの勝手な思い入れで、本人たちはいたって真面目にやってるつもりなのかもしれませんが。

嘗てはムーンライダーズ・ファンなど中心に一定の愛好者がいて、レコード屋にもよく「モダーン・ポップ」として括られコーナーが設けられていましたが、今の時代には受けが良いとも思えません。流行りのもの、先端とされるサウンドのいずれもが、真面目で辛気臭く、ギミックや仕掛けを嫌い、ある種のグルーヴを重視するものが目立ち、それは悉くこのニッチなポップロックとは相容れないものです。

それでもまあ、クラスに一人ぐらいは変わったヤツがいるだろう、そもそもそういう立ち位置のモンだし、ということで、営業的な成功の見込みもない(?)まま今回の企画を立ち上げた次第です(これがまたB級っぽいか)。
万人にお勧めするつもりもありませんし、できませんw お好きな方がいらしたら、コッソリお声をお掛けください。店の奥で秘密のブツを…

※2月10日コーナーopen

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