って、もう2月半ばの梅シーズン…w
たいして忙しいわけでもなく、たいした中身もないくせに書くことが決まらず、グズグズ過ぎた1ヶ月半。大変遅ればせながらの新年のご挨拶です。
1年前のような事故もなく平和な年明け、と安堵する間もなくトランプやら中居やら世間は賑やかかつ鬱陶しい有様。たまたまSNSを休んだ或日には、実に爽快な夜を迎えられ、まあそうだよね、と納得した気分。
年初の誓い、仕事も何も楽しくやろう、なんて小学生みたいな戯言呟き、「楽しい日本」っつーのも悪くはないwなんて言ってたら、1年前もおんなじようなこと書いてました。
さて恒例「私の収穫」2024年、新しい出会い、ってヤツあんまし無く、そん中でも心ときめいたのはこんなカンジ。
*先ずは「CD」(自宅で聴くのはもっぱらCD w)
EDA DIAZ / Suave Bruta
LEYLA McCALLA / Sun without the Heat
THE ZAWOSE QUEENS / Maisha
すずめのティアーズ / Fly So High
たまたま全て女性、いずれもルーツと現代性のバランスが絶妙。鬱々とシリアスになる類のアーチスト性?なんてものとは無縁、今を生きる感性に満ちつつ音楽の躍動感に溢れてる、で、POP。こういう音をもっと見つけたいなあ、と思ってるんですがナカナカ出会えず。
(※ZAWOSE QUEENSは昨年後半聴きたくて聴きたくて探してもどこも欠品、已む無く渋谷のワールドミュージック殿堂店主に届けてもらったのが1月入ってから、なんですが、まあ2024年の仲間ってことで。)
そして、改めて自分はお菓子みたいなポップスが好きだなあと感じること屡々。そんな気持に思いっ切り応えてくれたのがコレ
松尾清憲 / Young and Innocent
慶一サンとのデュオも良かったんですが、やはりある種の雑味(それがライダーズ的な良きモヤモヤ感に繋がる大事な要素なんでしょうが)によりポップに弾け切らないのです。シネマから一貫するあのメロディと声がリフレッシュされたこのアルバム、大変愛聴いたしました。
さらに、デビュー以来のファンであるNagakumoのライヴをついに体験できた2024年、やはりこの初期名曲群を収めたファーストLPは大いなる収穫でしょー! いつか2020年代を振り返るときには、必ず名盤として挙げられるハズ!
当店在庫もあとわずかデス!
*お次は本。
最近は、ひたすら楽しむエンターテインメント作にあんまし没頭できずに、お気に入りの作家のものでも途中で挫折してしまうこと度々。
そんなワタシが読み耽った本がこちらです。
岡真理 / ガザとは何か
わかってるつもりが、改めて酷い歴史を突きつけられ、イスラエルの非道な行いとそれを成立させている世界の構造に無力感を抱いてしまいます。「でも人質取ったハマスもどうかと思うよねー」とか言ってる連中に100万冊送りつけてやりたい。
宗像明将 / 72年間のTOKYO、鈴木慶一の記憶
発行は前年末ですが入手し読んだのが2024年初頭ということで。
これだけ長く追っかけていても知らなかった(明かされなかった)エピソード数多く、大変興味深く拝読。「60過ぎたら死刑囚」のお言葉に感じ入りました。
フィリップKディック / 戦争が終り、世界の終りが始まった
ひとつだけフィクション、確か佐々木敦サンのPostで興味を持ち入手した、フィリップKディック初期の非SF。もう店で売ってしまい手元になく上手く引用などできませんが、今の気分に実にシックリくる作品でした。
富永京子 / 「ビックリハウス」と政治関心の戦後史
8月のTALKで感想を書きましたが、付け加えるなら、今目の前で繰り広げられているおかしな事象の多くについても、やはりあの頃に源泉があるらしい、と考え始めています。
笹山敬輔 / 笑いの正解・東京喜劇と伊東四朗
ユリイカ / クレイジーキャッツの時代
2024年は伊東四朗の年だったのです!
久方ぶりに熱海五郎一座での元気そうなお姿を確認、自らの歩みを振り返った本書では、完全版の出た「日本の喜劇人」を補うように喜劇界の歴史を証言、こうして同じ時代を生きているありがたさを思いっ切り実感させてくれました。
そして併せて、伊東四朗もインタビューで参加したユリイカのクレージー特集。充実の寄稿群も然ることながら、冒頭の菊地成孔と佐藤利明の対談で語られる、我々世代のクレージー受容のプロセスに深く頷いたものです。
*映画は観てないかなあ…
映画館に行ったのが4Kストップ・メイキング・センスとボビー・チャールズくらい?
もっぱらTVでの鑑賞、年末に初めて観た藤田敏八「赤ちょうちん」が実にヘンテコな映画で楽しく。ある種のロード・ムーヴィーってことになるのかしらん。主人公たちが出会っていくおかしな連中を凄いメンツが演じます。
あとはケーブルTVで毎夜中流されるピンク映画群に、素朴な映画愛に満ちた佳作を見つけるのが日々のささやかな愉しみ。
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世の中の劣化を憂いてるうちに加齢による自分の劣化が進む今日この頃。とは言え身体の動くうちにパーッとしたことでもやろうとボーッしたアタマで模索したりする5年目の春。いきり立って商売しても、なーンにもイイこと無いってことに漸く気づき始めました(遅いw)。
というわけで、2025年は無理せずゆったりした気分で好きなことをやろうじゃないかと(今までと何ら変わらないかw)。
オープン時からの秘かな裏テーマ『10代の私が覗いていた70年代のレコード屋』的な環境に更に磨きをかけ、お客サンもワタシも程好く居心地のいい空間を目指して参りましょー。今年もどうぞご贔屓の程よろしくお願い申し上げます。